好きの反対は嫌いではなく無関心
好きと嫌いの距離は近いんだろうな〜という話。
私は『平家物語』が嫌いだ、と思っていた。
なぜなら登場する女性たちがどうにも薄っぺらに感じられるから。
ほとんどの女性が男性にとって都合のいい奥ゆかしい美女ばかりの世界観にうんざりしたのだが、嫌いだという結論に至るまでには結構な時間を要した。
ずっと違和感があったが、その正体がわからず何冊も本を読み、原文にあたってみたりもしていた。
ようやく私は平家物語が嫌いなんだと思い至りホッとしていた頃、『平家物語』が大好きだと仰る人と雑談する機会があった。
読んだことがあるかと訊かれたので、「あります。読んでいて小松殿? 高倉の宮? と時々わからなくなることがありました」と答えると、
おそらくその人は原文を読んだことはないのだろう。
(ちなみに、原文で小松殿は重盛、高倉の宮は以仁王のこと。)
「平家物語は女性の描き方がアレなので嫌いです」とは流石に言えないので平家物語あるあるで誤魔化したつもりだった。
その時…なーんだ原文も読んだことないのかぁ…と思ってしまった自分が、今となっては恥ずかしい。
いやもう本当にごめんなさい🙇♀️
自分はネコが好きだと公言して憚らないが、ネコに関するいかなる専門書も読んだことはないじゃないか。
飼い主として知っておくべき病気の知識ですらかなり怪しいくせに、他人に対して平家物語が好きなら原文を読んでるだろうと考えるのは筋が通らないし、ものすごく変だ。
そういえば古典文学で自ら進んで原文を読んだのは平家物語くらいで、そもそもどうして平家物語「だけ」わざわざ原文をあたってみようと思ったのか・・・・・
ただ、どうしても平家物語への違和感が引っかかって、その気持ち悪さを何とかして解消したかっただけで・・・・・・
え?
実は私、めっちゃ平家物語が好きだったりする?
えーーーー マジか・・・・・ なんか嫌だ 恥ずかしい。
まぁ でも 確かにね・・・・・
ここで書いた元町内会長のGからは、メンタルクリニックを受診するほどパワハラ・セクハラを受けたのだけど、だからといってGに対しては嫌いという感情は浮かばない。
あえて表現するなら、決して交わることのない別々の世界で生きていきたい、という感じかな。
現実はそうはいかず、何せ近隣住民なので姿を見かけることはあって、ゲー🤮となったりするけれど、それ以外では忘れているし、とにかく絶対に関わりたくないだけで、どうしてGはあんな言動をしたのかとか考えないし、知りたいとも思わない。
要するにGに関心は一切ない。
なるほど好きの反対は嫌いではなく無関心とはよく言ったものだ。